薬剤師31万人 薬局6万店の大淘汰#淘汰危険度ランキング・定員充足率Photo:PIXTA, 123RF

薬学部の人気低下が止まらず、定員割れする大学が続出している。国家試験合格率の低迷に定員割れや留年……。課題を抱える薬学部の淘汰は必至だ。学生が集まらない薬学部はどこか。特集『薬剤師31万人 薬局6万店の大淘汰』の番外編では、薬学部「定員充足率」ワーストランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

人気低下が止まらない薬学部
私立大60校中38校で定員割れ

 定員割れする薬学部が続出している。

 薬学部の6年制が始まる前だった2002年度の薬学部の定員は8200人。これが20年度は1万1602人と約1.4倍も増えた。

 ところが、薬学部を志望する学生の数は減少の一途だ。日本私立薬科大学協会によれば、21年度の私立大学薬学部の入学志願者数は6万7717人で、前年度から約7300人減少した。湘南医療大学など新設の薬学部があったにもかかわらず、入学志願者数は7年連続の減少で、薬学部の人気低下が止まらない。

 薬学部の数やその定員数が増加する一方で、受験者が減ってしまえば存続が危ぶまれる薬学部も出始める。

 45年に薬剤師は最大で12.6万人過剰になるとの予測を公表した厚生労働省の有識者会議「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」は、「学生の質の維持に課題がある大学が存在する」と薬剤師を育てる薬学部にも警鐘を鳴らした。

 そこでダイヤモンド編集部は、検討会で指摘された「三つの指標」を基に、全国の私立大学薬学部を対象に「淘汰危険度」ランキングを作成した(『薬学部「淘汰危険度」ランキング【56私立大・2022年版】2位千葉科学大、1位は?』参照)。

 今回はこのうち、薬学部の定員をどれだけ満たしているかを示す「定員充足率」に焦点を当ててランキングを作成した。ランキングの対象となった60校の私立大学のうち、なんと38校が定員割れだった。

 学生集めに苦慮している薬学部はどこなのか。ランキングを見ていこう。