薬学部の“人気低下”が止まらない。定員割れする大学も続出している。学生から不人気の薬学部は、真っ先に淘汰の対象となるだろう。“学生離れ”が進み、前年から定員充足率が悪化した薬学部はどこか。特集『薬剤師31万人 薬局6万店の大淘汰』の番外編では、58私立大学薬学部「定員充足率悪化度」ランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
7年で4割志願者減、薬学部の「人気低迷」
「定員充足率が悪化」している大学は?
薬学部の“人気低下”が止まらない。
日本私立薬科大学協会によれば、2021年度の私立大学薬学部の入学志願者数は6万7717人で、前年度から約7300人減少した。
湘南医療大学など新設の薬学部があったにもかかわらず、入学志願者数は7年連続の減少だった。14年度入試の志願者数は11万4614人だったことから、この7年で4割以上も志願者が減った計算になる。
厚生労働省の有識者会議「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」では、薬学部について「学生の質の維持に課題がある大学が存在する」と警鐘を鳴らした。
そこでダイヤモンド編集部は、検討会で指摘された「三つの指標」を基に、全国の私立大学薬学部を対象に「淘汰危険度」ランキングを作成した(本特集番外編『薬学部「淘汰危険度」ランキング【56私立大・2022年版】2位千葉科学大、1位は?』参照)。
今回はこのうち、薬学部の定員をどれだけ満たしているかを示す「定員充足率」に着目。21年度の値が20年度と比べてどれだけ悪化したかを調べてランキングを作成した。定員充足率が悪化している大学は“学生離れ”が進み、定員の確保に苦しんでいることになる。
ランキングの対象となった58私立大学のうち、前年から定員充足率が改善した大学は20校だった。一方、33校が悪化していた。薬学部人気が低下する中で、大学間での優勝劣敗が進んでいる。学生から不人気の薬学部は、真っ先に淘汰の対象となるだろう。
定員充足率が悪化した大学はどこなのか。最新版のランキングを見ていこう。