薬学部によって薬剤師の国家試験合格率に“格差”が存在する。ダイヤモンド編集部が56私立大学の薬学部を調べたところ、国家試験合格率が90%超の大学が19校あった一方で、50%未満の大学が2校あった。国家試験合格率が低い薬学部はどこか。特集『薬剤師31万人 薬局6万店の大淘汰』の番外編では、56私立大学薬学部「国家試験合格率」ワーストランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
薬学部国家試験合格率で“格差”
19校が90%超合格、ワースト1位は43.3%
薬剤師の国家試験に約半数が落ちる大学が2校ある――。
薬学部に入学して6年通っても、薬剤師の資格が保証されるわけではない。国家試験に合格する必要があるからだ。そして、薬学部によって合格率に“格差”が存在する。受験者の“半数超が不合格”の大学もあれば、“全員合格”の大学もあるのだ。
厚生労働省の有識者会議「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」は、薬学部について「学生の質の維持に課題がある大学が存在する」と警鐘を鳴らした。
そこでダイヤモンド編集部は、検討会で指摘された「三つの指標」を基に、全国の私立大学薬学部を対象に「淘汰危険度」ランキングを作成した(『薬学部「淘汰危険度」ランキング【56私立大・2022年版】2位千葉科学大、1位は?』参照)。
今回はこのうち、新卒の「薬剤師国家試験合格率」に焦点を当ててランキングを作成した。合格率が低く、薬剤師を生み出せない薬学部は学生から敬遠され、今後存在意義が問われることになるだろう。
ランキングの対象となった56の私立大学のうち、合格率が90%を超えたのは19校あった。ところが、ワースト1位の大学の合格率はわずか43.3%だった。
薬剤師の国家試験に“合格できない”薬学部はどこなのか。ランキングを見ていこう。