薬局やドラッグストアで患者と向き合う薬剤師。かかりつけ薬剤師のノルマに追われる裏で、セクハラ電話やストーカー被害など困った客に振り回されている。特集『薬剤師31万人 薬局6万店の大淘汰』の番外編では、疲弊する現役薬剤師たちの悲痛な叫びを覆面座談会で暴露してもらった。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
A氏 中堅ドラッグストア 街中店舗勤務 30代 女性
B氏 中堅調剤薬局 門前薬局勤務 40代 男性
C氏 大手ドラッグストア 病院門前勤務 30代 男性
D氏 超大手ドラッグストア 大型店調剤部門勤務 20代 女性
※覆面座談会の前編はこちら
『薬剤師の悲痛な叫び!“日医工ショック”で薬集め、医師へ照会したら「電話してくんな」【覆面座談会】』
ストーカー被害、「眠れない」と深夜の電話
「パンツ何色?」とセクハラ電話も…
――薬だけでなく健康相談など患者の相談に乗る「かかりつけ薬剤師」。この件数を増やすノルマが各薬局や薬剤師個人に課せられていると聞きます。かかりつけになると薬剤師にもメリットはありますか。
D 正直、何もない。むしろデメリットばかり。これはみんな同じじゃないかな?
一同 (うなずく)
A 親しくなるが故に、ストーカー被害は多いですよね。女性薬剤師がストーカーに遭って、勤務先店舗を異動になるというのはよくある話。
B 個人的に一番困るのが、患者からかかってくる深夜の電話。携帯番号を教えているから、かかってくるのはしょうがないけれど、その内容の8割くらいが、メンタルを病んだ方から「眠れない」という相談です……。
D かかりつけ薬剤師の電話に限らず、正直、メンタル系の患者さんの対応にはいつも頭を悩ませています。例えば、最近だと「自宅のたんすの角に足をぶつけてしまいました。私は大丈夫でしょうか?」というお客が深夜に一人勤務しているときにいらっしゃいましたね。どうしても、誰かから「大丈夫ですよ」という一言を掛けてもらいたいんですよね。
こうした患者さんには、薬剤師としてできる限り真摯に向き合いますが、とんでもない客の相手もしないといけないのが嫌ですね。
――例えば、どんな困った客がいるのですか。
A 「あなた、パンツ何色?」と聞いてくる電話がしょっちゅう。
D ありますよね……。そういうとき、どう対応していますか。