文部科学省は1月27日、薬学部の退学率を初めて公表した。ダイヤモンド編集部は、57私立大学薬学部の「退学率」ランキングを作成。退学率の平均は15.31%だったが、最も高い大学では56.25%と半数以上が退学していた。退学率が高い大学はどこなのか。特集『薬剤師31万人 薬局6万店の大淘汰』の番外編では、57私立大学薬学部の「退学率」ランキングを見ていこう。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
初公表の薬学部「退学率」
平均は15%、ワースト1位は56%
薬学部の「退学率」を文部科学省が初公開――。
私立大学の薬学部の学費は、大学によってばらつきがあるものの6年間で約1200万円が相場だ。せっかく薬学部に合格したものの、高額な学費の負担が苦となって退学する者も珍しくない。
また大学によっては、薬剤師国家試験の合格率を高めるために進級要件を厳しくし、国家試験に不合格になりそうな学生を留年させるケースもある。留年を契機に、退学を選択する学生も少なくない。
こうした要因から、薬学部の実態を測るには国家試験合格率だけでは不十分だという批判の声が上がっていた。
そして1月27日、文部科学省は薬学部の退学率を初めて公表した。
そこでダイヤモンド編集部は公表されたデータを基に、57私立大学薬学部の「退学率」ランキングを作成した。
全57校の平均退学率は15.31%だった。単純計算すれば、薬学部の学生のうち7人に1人以上が退学の道を選んでいることになる。
また、退学率が最も低い大学は0.98%だった一方で、ワースト1位の退学率は56.25%。大学によって退学率に大差があり、学生の半数以上が退学している薬学部が存在することが判明したのだ。
退学率が高い大学はどこなのか。初めて分かった57私立大学薬学部の「退学率」ランキングを見ていこう。