2015年
「マスタングGT」― 4.5秒

2015年「マスタングGT」― 4.5秒MICHAEL SIMARI

 0-100km/h加速は4.5秒。クオーターマイル(ゼロヨン)は13秒台、240キロ台への加速も30秒を切る実力です。エンジン音の響きはデイトナ500のモノマネではなく、紛れもない本物です。やや控えめな印象のある「マスタングGT」のV8エンジンのサウンドですが、純然たる燃費現象によって生じるもので、決してフェイクではありません。幾分静かかもしれませんが、洗練された音色と評すべきサウンドです。

2016年
「マスタング・シェルビーGT350」― 4.3秒 /
「マスタング・シェルビーGT350R」― 3.9秒

2015年「マスタングGT」― 4.5秒MICHAEL SIMARI / CAR AND DRIVER

 新型「マスタング・シェルビー」が速くないと言うつもりは毛頭ありません。ですが、クオーターマイル(ゼロヨン)に特化しているとも言えません。ベースモデルとなった「マスタング・シェルビーGT350」については、発進にやや難ありと言うところですが、0-100km/h加速を4.3秒、クオーターマイル到達時の時速は188.3キロで12.5秒という性能です。今となっては驚くような数字とは言えませんが、テストカーの重量が1722kgであったことを考慮に入れておきたいところです。

 一方、8.2kgのカーボンファイバー製ホイールと、ミシュランのパイロット・スポーツカップ2タイヤを装着した「マスタング・シェルビーGT350R」(車重量は1683kg)の0-100km/h加速は3.9秒、クオーターマイル到達時の時速は191.5キロで12.2秒という数値で駆け抜けています。

 ご存知かもしれませんが、ポルシェ「911 GT3」のドライバーがドラッグレースのタイムを気にすることなどありません。彼らがより重視するのは、スキッドパッドにおけるグリップ性能、そして制動距離です。「マスタング・シェルビーGT350」は0.98g、「マスタング・シェルビーGT350R」は1.10gという驚異的な数値を叩き出し、時速113キロからの停止時間についてはそれぞれ46.3m、44.5mという性能です。フォードが開発する際なにを重点に置いているのかは、トラックシートのデータを見れば明らかです。

2018年
「マスタング・エコブースト」― 5.0秒

2018年「マスタング・エコブースト」― 5.0秒CHRIS DOANE / CAR AND DRIVER

 パンチの効いたターボチャージャー仕様の2.3リッター直列4気筒エンジン「エコブースト」には、2018年式「マスタング」のために独自のパフォーマンスパックが用意され、そこには現行モデルと同様の10速オートマチックが搭載されています。0-100km/h加速は5.0秒。これは2015年モデルより、0.2秒の向上です。