そんな業界のパイオニア的存在のユニクロ。経営陣の手腕に対して、社員からは以下のようなコメントがあった。

「社長は、その都度方向性が変わり荒波は立つが、いつも攻めの姿勢である」(企画・事務・管理系、男性)

「世界各地に展開しているので、時代の背景に沿った経営が求められます。AI(人工知能)化、自動化で生き抜く企業だと感じています。日本発信のアパレル企業としての誇りがあり、地域社員雇用や営業時間など地域に合わせた経営を強みにしていると感じられます」(販売・サービス系、女性)

「業界のトップである社長は、事業貢献以外にも個人的な献金で東日本大震災時に迅速な対応をするという、人間味あふれる方です。また、早くから国外戦略に目を付けてグローバル展開を行ってきたので、今後もさらに世界シェアを広げていくのだと思う」(販売・サービス系、女性)

 続いて2位にランクインしたのは、サイバーエージェント。代表取締役社長を務める藤田晋氏が1998年に創業し、インターネット広告事業やメディア事業を手掛けている。近年は「ウマ娘 プリティーダービー」などのゲーム事業も好調だ。

 社員からは経営陣の意思決定力を評価するコメントが見られた。

「経営陣は有能で、ミーティングをしてもどうしてそんなに詳しいのかと思うくらいに、担当している事業に対する知識を持っている」(開発責任者、男性)

「社長は決断力に優れ、特に『引く』という選択を躊躇(ちゅうちょ)なく取れるところがすごいのかと。ときに潔すぎて、その部署で働いている人の反感を買うこともありますが、そこは躊躇なく決められるところがすごいし、結果それでよかったというものも数多くあると思います」(クリエイティブ系、男性)

 3位はソフトバンクだった。創業者の孫正義氏は、親会社ソフトバンクグループの代表取締役会長兼社長を務める。傘下のソフトバンクでは、21年4月に宮川潤一氏が代表取締役社長に就任した。

 口コミでは、創業者でグループ代表を務める孫氏の経営手法を評価する声が見られた。

「会長の求心力が強い。おそらく、経営手法では国内に比肩する人はいない。まさにワールドクラスの経営者。自分が直接関与していない事業でもワクワクする」(企画・事務・管理系、男性)

「社長は『情報革命で人々を幸せに』という企業理念に基づいて事業を拡大していますが、これに賛同できますし、経営層の決定を信頼できます」(営業系、女性)

 4位はITコンサルの領域で急成長を遂げているアクセンチュア、5位には通信事業への参入も話題となった楽天グループがランクインした。いずれもITに強みを持つ企業だ。

 コロナ下ではリモートワークが広く普及したが、「リモートワークを導入するか否か」という判断一つとっても、決断のスピードや内容は企業によって大きく異なった。

 こうした意思決定を目の当たりにし、「迅速に方針を決めてくれて助かった」と経営陣を見直した社員がいた一方で、「こんなことも決められないなんて……」とガッカリした社員も決して少なくなかったはずだ。

 経営の意思決定が目先の業績を左右するだけでなく、社員からの評価、ひいては企業としての魅力度にも大きく関わってくることを、経営陣は肝に銘じなければならない。

『社員から「経営陣の手腕が評価されている」会社ランキング【ベスト30・完全版】』では、上位30社を紹介しているので併せてチェックしてみてほしい。

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