「一つは、人生100年時代の本格的な到来です。かつては義務教育からスタートして20年ほど勉強して、40年前後働き、定年退職後は年金で10年前後の余生を過ごすのが一般的でした。しかし、医療が発達する一方で、年金問題が解決しない現在は、定年後の生活に対する不安も大きくなっています。そのため、定年が見えてくる40代以上の人は、残りの人生をどう過ごすかを模索して、学び直しをはじめるケースが多いようです」

 二つ目の理由は、若い世代にも当てはまる「危機感」にある、と宇田氏は語る。とくに急速に進化するデジタル技術に置いていかれる危機感がきっかけになりやすいという。

「昨今の技術の進化は著しく、企業は業務全般にわたるデジタル化を推し進めています。今のまま、何もしなければ技術に取り残されて自分が“陳腐化”してしまうリスクがある。たとえば、以前に学校で学んだデジタル関連の技術は、今は使えなくなっているし、社会に出てから自社で学んだスキルや技術も、社外では通用しない可能性が高い。これまで学んだスキルや、歩んできたキャリアなど、『自分の市場価値』に不安を覚えた人も、学び直しをする傾向があります」

 そうした学び直しをする人々の“受け皿”になっているBBTには、中高年はもちろん、10代から70代まで、幅広い年齢層と、多様な職種の学生が在籍しているという。

「当校には『グローバル経営学科』と『ITソリューション学科』という、二つの学科があり、オンライン上で実践的に経営を学べるのが特徴です。学生の職業は会社員や料理人、元アスリートなどさまざま。親の稼業を継いだのを機に、基礎から経営を学びたいという中高年の男性や、BBTでグローバル経営を専攻し、バックオフィス業務からフロント業務にステップアップした女性もいます」

 そうして一度でも学び直しした人は、卒業後も常に学ぶ姿勢が身に付くという。

「学び直しをすると、自分に足りない部分がどんどん見えてきて、さらに深く学ぶ必要性を感じる。新たなキャリアを築くには、学び続ける必要があるんです」