オンライン授業の
スクールが増加

 今後のキャリア形成にも関わる“学び直し”は、どのように行えばいいのだろうか。かつては「働きながら大学院に通ってMBA(経営学修士)を取得する」「英会話スクールに通う」などが一般的な方法だったが、宇田氏は「オンラインでの学習を勧めたい」と話す。

「従来は実際に学校に通うスタイルが主流でした。しかし、働きながらでは気力体力ともにかなり消耗するので、ちゅうちょする人も多いです。その点オンラインならば、PCやスマホ、タブレットを活用しつつ、場所を選ばずに講義が受けられる。BBTは、開校当初から完全オンラインで授業を行っていました。最近はコロナ禍も相まって、オンラインで授業を行うスクールが増えていますので、それらをぜひ活用してほしいです」

 次に必要なのは、教員や学生と議論する場所だ。教員と生徒が1対1で講義内容に対する学生の質問に答え、また学生の発言に対してフィードバックしたり、学生同士が議論したりする機会があると、自分の考えを表現できるようになる。

「そして三つ目に重要なのが、“自分の意見”を外に出す機会があること。アウトプットの機会が大切です。知識をインプットするだけの学びは、仕事に生かしにくいです。学生同士あるいは教員とのディスカッションやリポートなどの課題発表を通して、伝える力を身に付ける必要があります。たとえば、学び直しでTOEICの点数が上がっても、自分の言葉でしゃべれなければ意味がない。今は、実践的な力を身に付ける学び直しが求められています」

 講座の内容とともに上記の条件を意識して学び先を選ぶと、仕事のキャリアアップにもつながりやすい、と宇田氏。

「中高年層のなかには『今から学び直しをしても遅いのでは』と、ためらっている人もいるかもしれません。しかし、学び直しは、早すぎることもなければ、遅すぎることもありません。始める年齢はまったく関係ないので、キャリアに不安が芽生えたときが、学び直しのタイミングと捉えたほうがいいでしょう」

 先が見えない今こそ、学び直しの始めどきなのかもしれない。