ものづくりへの深い想いと、
慈愛にあふれる九谷焼作家を訪ねる

四代德田八十吉氏。陶房のギャラリーにて四代德田八十吉氏。陶房のギャラリーにて

 この地で九谷焼の生産がはじまって以来、陶土づくりや型作り、生地や上絵付けといった工程それぞれに、独自の技術や技法が生まれてきました。多種多様、個性豊か、百花繚乱。石から生まれる九谷焼は、常に進化し続ける彩り豊かな石の文化と言えるのかもしれません。

 そんな九谷焼の工房は、どれほど敷居が高いのだろうと思いながら、まずは德田八十吉陶房へ。人間国宝を父に持つ四代八十吉氏は、2019年に大病を患い、その経験から構想を得た作品をも発表する情熱あふれる作家です。作陶の工程や色やモチーフに関する話をうかがっていると、気さくさの中に作品にかける深い想いが伝わってきます。

陶房のギャラリーには四代の作品(手前)と共に三代の作品も展示陶房のギャラリーには四代の作品(手前)と共に三代の作品も展示

 九谷焼の技法のひとつ、色の濃淡(グラデーション)で見せる「彩釉」を極めた三代八十吉氏。その技法を継承した上で、四代八十吉氏独自の技法によって生み出される慈愛に満ち溢れた作品の数々は実に印象的です。その優しい色使い、美を追求した作品との出合いの場については、ホームページの「個展のご案内」の欄で案内中です。四代八十吉氏が運営するYouTube「九谷やそチャンネル」でも個展や作品の解説、近況などを発信中。こちらも実に楽しく要チェックです。

神聖な窯場には、これから生み出される作品の生地が並んでいた神聖な窯場には、これから生み出される作品の生地が並んでいた
■德田八十吉陶房(とくだやそきちとうぼう)
・住所:石川県小松市金平町新5
・電話:0761-41-1234
・URL:http://www.tokuda-yasokichi4th.jp/
*訪問の際は事前にご連絡をお願いします。