1stモデルの成功の「クルマが主人公ではなく、家族が主人公の商品企画」だったからだろう。1stモデルのキャッチコピーは「こどもといっしょにどこいこう」。走りではなく、豊かな室内スペースと、それがもたらす生活の広がりがメインテーマだった。新型のグランドコンセプトは「素敵な暮らし」、つまり、人に寄り添うことである。6thモデルは原点に回帰したステップワゴンだ。

外観はシンプルな箱
2つの個性を主張

 エクステリアはボクシーで伸びやか。1stモデルをオマージュしながらも最新トレンドを巧みに盛り込んでいる。プロポーションはズバリ、“シンプルでクリーンな〈箱〉”である。

ホンダ新型ステップワゴン、暮らしに寄り添う新発想で1stモデルに原点回帰新型はパッセンジャーの居心地と視界のバランスを再構築 従来モデル比でベルトラインを高めボディの厚みを強調 Cピラーは1stモデルと同様に太めの設定 ボディサイズは未公表 全幅が拡大され全車3ナンバーか

 ミニバンはSUVやクーペと比べると、デザインしろが少ない。この点を逆手に取り、“カッコいい箱(=BOX)を作る!!”というデザイナーの発想が生まれた。リア回りは縦長ランプ、シンプルなバンパー回りなど、1st&2ndモデルをオマージュしたことがひと目でわかる。

 新型はラインアップも新しい。旧型同様に2シリーズ展開だが、新型は標準モデルをAir(エアー)と名づけた。そして従来からあるスポーティテイストのスパーダの2本立て。エアーは従来イメージからの脱却を図る挑戦のひとつ。特徴はノイズレスなデザインである。

 一方、スパーダはいわゆるエアロ系だが、“いかついオラオラ系”ではなく、品よくスポーティさをアピールする。エアーに対してフロントオーバーハングが20mm、リアオーバーハングは15mm長い。これは伸びやかさと力強さのために活用されているそうだ。

ホンダ新型ステップワゴン、暮らしに寄り添う新発想で1stモデルに原点回帰スパーダのテーマは「プレミアム・ライフBOX」 塊感を重視したデザインとスタイリッシュなダークコーディネートが個性的 ボディカラーは白とダーク系3種の計4色

 インテリアもエクステリア同様にシンプルでクリーン。どこか“いいモノ感”が漂う。インパネは水平基調。シビックと同様の空調グリルと加飾を一体化したアウトレットメッシュを採用するなど、遊び心も忘れていない。

ホンダ新型ステップワゴン、暮らしに寄り添う新発想で1stモデルに原点回帰インパネは良好な視界を追求した水平基調 シンプルながら吟味された造形と入念な作り込みで“いいモノ感”が漂う 取材車は11.4インチホンダコネクトナビ装備

 良好な視界もセールスポイントである。運転しやすさを増す目的で、フロントピラー形状を工夫し、車両感覚を把握しやすいボンネットフードの見え方を徹底研究。

 クルマ酔いを防ぐため2列目/3列目からの視界にもこだわった。どの席に座っても快適さを追求したパッケージングは、新型の大きな特徴だ。