――見直しはコロナ禍を受けてのものなのか。

 コロナで赤字だからやるんだろうと言われますが、コロナ前から厳しい状況でした。中期経営計画に掲げて地域と取り組みを進めているように、何とかしないといけないという課題認識はコロナ前からありました。

 2期連続赤字で大変な状況でもあり、結果としてコスト削減や損失改善につながるのかもしれませんが、ますますローカル線が鉄道として役に立てない状況が進んでいくため、なるべく早く議論を始めましょうということです。

――輸送密度2000人未満という基準は。

 元々、国鉄時代の国鉄再建法に、鉄道よりバスの方が効率が良いとされる基準として輸送密度4000人未満、2000人未満というのがあって、社内的にも常に意識してきました。自治体に具体的に提示したのは初めてですが、この機会に沿線の自治体の方に投げかけ、具体的に議論ができる形にしたいと思っています。

 国も同じように問題意識をもって検討会(鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会)が始まったところなので、私たちもこの機会に経営状況が分かる資料の公表など材料を出して具体的に議論ができる形にしたいと思っています。

ローカル線の見直しにおける
具体的な選択肢とは

――「このままの形で維持していくことは非常に難しい」とはバス転換を意味するのか。

 報道を見ていると、「ローカル線の見直し=バス転換」みたいな話になってしまっていますが、何が一番ふさわしいか、ご利用しやすい姿かを議論しましょうという話なので、バス転換が前提という話ではありません。

 このままの形で維持は難しいとは、地域の役に立てていない状況の中で、車両の運行と設備の保守を全て自前でやっていくことは難しいということです。