ウィズコロナで大事なこととは?
ワクチンだけでは解決できない

――本来であればワクチンは何年もかけて人体に悪い影響が出ないかを検証した上で実用化されるものですが、新型コロナワクチンではそれができないまま使わざるを得ない状況になっています。そんな中、満5歳以上の小児へのワクチン接種が始まりましたが、これについてはどうお考えですか?

 パンデミック時の緊急事態での承認です。ですから、十分な知見がそろっていない中で、国民への接種が進んでいます。

 ここで大事なことは、接種後、長期にわたって、副反応などの有害事象報告が出てこないかの4相試験(実際に承認され広く接種されて以降の予期しない有害事象や副反応を検証する試験)をやることです。やってほしい、とテレビでも何度も訴えました。

 重症化するリスクのある高齢者の方、基礎疾患のある方は、流行下なのでワクチンは強く勧められます。しかし、お子さんに対しては慎重に見ていく必要があると思います。開発されたばかりの新型コロナワクチンは長期的な副反応のデータがないので、議論はできないのです。

 そもそも現行ワクチンは、中国・武漢市で発生したウイルスで作られていますが、その後、変異ウイルスが何度も出ました。オミクロン株は武漢のウイルスから大きく変異しているウイルスなのです。今、海外ではオミクロン株由来のワクチンが作られていますので、国を挙げてそのワクチンの入手に努めてほしいです。

 また、検査を拡充して、薬ですぐに治療できる体制を組むことが大切です。1年間に3回もワクチンを接種しないといけないということは、新型コロナはワクチンだけでは解決できないということ。検査と治療薬はもちろん、そして大規模集約医療施設を含めた医療拡充をすべきです。

 同時に欧米並みに検査をやれるようにすることで、経済を回すことにつながります。検査結果が陰性の方は通常通り活動できる、そんな社会がウィズコロナだと思います。

――コロナ禍はいつ終わりが見えるんでしょうか?もしくはこれからもっと事態は悪化する可能性はあるんでしょうか?

岡田 オミクロンが最後の変異株ではないでしょう。現在国内の感染の大半を占めるオミクロン「BA.1」から、ステルスオミクロンと呼ばれる「BA.2」に置き換わりが進むと、感染力も病原性も上がる可能性があります。そうなるとまた、感染者が増える。パンデミックですから、また海外から新たな変異ウイルスが出るのは想定しないといけない。

 まずは、大規模集約医療施設の準備、検査拡充、検査キット増産、薬の確保です。時間がたてば自然に収まるというのは楽観視であり、現実的ではありません。事態が悪化しないような体制を整えることができてこそ、出口の光が見えるのです。