実は日本人の自己肯定感はアメリカ人と変わらない
このように、自己肯定感を意識化された自己肯定感と意識化されていない自己肯定感に分けた場合、欧米社会のように自己肯定し自分を強く押し出さないと生きていけない社会では、本当は自信がない人でも自信たっぷりに見せるのが常習化し、意識化された自己肯定感は高くなる。
逆に、傲慢さを嫌い、謙遜を美徳とする日本社会では、本当は自信のある人でも謙遜するのが常習化し、意識化された自己肯定感は低くなる、つまり自己肯定感の意識調査では得点が低くなるはずである。
しかし、意識化されていない自己肯定感は、自己肯定感の低いアメリカ人の自己肯定感の低さや、自己肯定感の高い日本人の自己肯定感の高さも、そのままにとらえることができる。
たとえば、「あなたは自分に満足していますか」と聞かれれば、多くの日本人は「自分にはまだまだ至らない点も多々あるし、けっして満足できるとは言えないな」と思い、「それほど満足していない」と答えるだろう。それに対して、謙虚さを重んじることなく、自分を強く押し出すように躾けられて育つ欧米人は「非常に満足している」と答えるはずだ。
