ウクライナのゼレンスキー大統領は3月3日、ロシアの侵攻に対するウクライナの防衛を支援する外国人義勇兵の第1陣が国内に到着したことを明らかにした。

 ロシアの侵攻以降、ゼレンスキー大統領はSNSを通じて外国からの義勇兵の募集を呼び掛けていたが、今後到着した外国人義勇兵たちの多くは最前線に立つことが予想される。

 到着した外国人義勇兵は少なくとも1万6000人になるとみられ、国籍は明らかにされていないが、近隣諸国だけでなく、米国や英国、ドイツなどからも多く参加し、退役軍人から戦闘経験のない一般人まで、そのバックグラウンドは多岐にわたっているとみられる。

 ゼレンスキー大統領による呼び掛けに、日本を含む世界各国から志願する人々がそれぞれ意思を表明しているが、志願兵については各国で対応が分かれている。

 たとえば、バルト3国の1つを形成するラトビアは志願する自国民の渡航を容認することを議会で可決したが、米国や英国、日本などはそれを控えるよう慎重な姿勢を崩していない。

 仮に、外国人義勇兵として自国民が戦闘の最前線に加われば、ロシア軍に捕虜として拘束されるリスク、ロシア在住の自国民に危害が及ぶリスク、また、それらによってロシアから強い対抗措置に遭うリスクなどが十分に想定されるので、各国政府が慎重になるのは当然のことだろう。

 反対に、ウクライナを軍事的に、経済的に、何より人道的に救済することは人間として納得がいく理由であり、志願する人々の動機や気持ちも十分に尊重される必要があり、心理的には難しい問題かも知れない。

 いずれにせよ、近隣諸国への避難を余儀なくされた人々への人道支援、諸外国への受け入れなどは今後さらに強化されていく必要があろう。だが、テロ・過激主義の視点からこれを考えた場合、そこには大きなリスクが内在している。