成長産業あるところに、台湾の黒子あり。台湾の有力経済メディア、「財訊」とのコラボレーションによる特集『半導体・電池・EV 台湾が最強の理由』(全6回)の#5では、拡大する電池市場に食い込む台湾の黒子企業を紹介する。(台湾「財訊」 劉志明、翻訳・再編集/ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)
「台湾はみんなの友達」
勝ち馬に乗って利益得る台湾企業
「韓国はみんなの敵、台湾はみんなの友達」――。こんな過激なせりふをかつて口にしたのは、台湾のパソコン大手であるエイサー(宏碁)の創業者、施振栄(スタン・シー)氏だ。
韓国企業は財閥が多く、規模の経済で海外のライバル企業を駆逐する傾向がある。これに対し台湾企業は、海外企業のパートナーとなり、その発展を支える黒子的な存在であることが少なくない。黒子となる台湾企業は、成長性のある産業や企業という「勝ち馬」に乗ることで利益を得る。
そんな台湾企業が今群がっているのが、電池産業だ。電気自動車(EV)や脱炭素化の流れで需要が膨らむ一途の電池市場。この市場における主力プレーヤーに、軒並み台湾企業が食い込んでいる。