投資信託をする際
一括購入か分割購入のどちらがよいのか

 前回、Mさんの世帯金融資産は8450万円あり、またMさんが扶養の範囲内のパートになる3年間の間で978万円の貯蓄ができると試算しました。金融資産は合計すると9248万円になるので、4000~5000万円のマンションの一括購入という形であれば大丈夫と回答しました。

 近年、マンション価格が上昇しているため、諸費用込みで5000万円のマンションを一括購入した場合を試算してみましょう。金融資産は、9248万円−5000万円=残り4248万円です。

 ただし、Mさんからの相談分には「約3年後に車の買い替え約400万円で検討中」と書かれていました。そのため、4248万円から400万円を差し引いた3848万円を資産形成のベースとして考えましょう。

 すでに行なっている個人型確定拠出年金(iDeCo)と、非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度(つみたてNISA)の課税口座を確認しましょう。夫は約11万2000円、Mさんは約22万円、合わせて33万2000円の投資信託の積み立てを行っていると書かれています。

 ただし、Mさんが扶養に入った後はiDeCoの掛け金が月6万8000円から2万3000円に減額になると記載がありました。つまり、4万5000円の減額です。そのため、毎月の投資信託の積立金額は33万2000円−4万5000円=28万7000円になります。

 ちなみに、夫の積立金額の原資は給与の一部、Mさんは普通預金から引き出した現金とのことです。

 前提条件の整理ができたところで、Mさんの質問に話を戻しましょう。質問はざっくりまとめて以下の4点でした。
(A)普通預金をどのように資産配分(預金:保険:投資など)をすればよいのか
(B)投資信託においては一括購入か分割購入のどちらがよいのか
(C)投資信託オンリーではなく、個別株や配当金ETFなども勉強するとよいのか
(D)ある程度の現金保有があればリスクもとれるのでないか

 多少、順不同になるかもしれませんが、順を追って回答していきましょう。

 Mさんと夫は、現在29歳です。万が一、運用で失敗してもリカバリーする時間はあり、失敗を収入で補うこともできるのでリスクは積極的に取ってもよいでしょう。

 ただし、投資信託は「長期・積立・分散」を心がけて一括購入は控えるべきでしょう。「個別株や配当金ETFは、あらかじめ予算を決め、その範囲内で一括購入(一括投資)するとよい」というのが(B)に対しての私の回答です。