SDGsの持続的な取り組みが
多数の項目で全国平均を上回る

 石川県民の環境や社会の持続につながる行動においても、60代以上が盛んである。「あなたが普段生活の中で、意識して取り組んでいるものがあればいくつでもお選びください」という質問に関しては、以下の結果が得られた。

 消費行動である「オーガニック」は18.3%(全国平均8.5%)、環境行動の「エコバック」は73.6%(同54.1%)、社会行動の「ボランティア活動」は15.6%(同6.8%)、「地域コミュニティ活動」は16.6%(同7.0%)、「地元商店街の利用」が19.7%(同6.6%)と、いずれも他の世代よりも突出して行動を行なっている。

 田中社長は、「石川県のSDGsの評価の高さは、60代以上がSDGsにおける活動を積極的に行っており、それが生活の満足度にもつながっているという構造のようである。他の県や地域では20代など若い世代がけん引しているケースが多いが、石川県では60代以上がけん引役となっているようだ」と指摘する。

 確かに年代別の分析からは、持続可能な目標につながる行動を行なっている割合は60代以上が他の世代より高くなっている。その特徴が、石川県が2位に浮上した理由のひとつであることは間違いないだろう。

(取材・文/ライター 西嶋治美)