2010年頃はまだ、ツイートが万単位でリツイートやいいね(当時は“ファボ”)されることはめったになかった。ユーザー数が増えるに従い、バズを狙うツイートが増え、フォロワー数がまるで「戦闘力」のようになった。

 さらに、強い言葉を使うインフルエンサーが支持を集めるようになり、中には気に入らない意見を言うユーザーをさらしあげる行為も行われるようになった。フォロワー数の多いインフルエンサーにさらしあげられたユーザーは、インフルエンサーのフォロワーから延々とたたかれ続けてしまう。

 一昔前まで、ネット上で倫理観に乏しい場所といえば匿名掲示板だった。今はツイッターが昔の匿名掲示板よりも荒れている、と嘆く意見もしばしば目にする。「火事と喧嘩は江戸の華」ならぬ「炎上と小競り合いがツイッターの華」の状況だ。

三つのケースから学ぶ
ツイッターのポジティブな使い方

 とはいえ、インターネットはそれを使う自分の鏡ともいえる。同じサービスを使っていても、ネガティブな使い方をする人もいれば、ポジティブな使い方をする人もいる。

 ツイッターも当然そうで、殺伐としたタイムラインのすぐ隣に、打って変わって平和で有意義なタイムラインが流れていることもある。ツイッターはダメとばかり言ってもいられないので、ポジティブな使い方のケースを挙げてみたい。

・犬猫アカウントの平和さ

 自分の家で飼っている犬や猫の様子をアップしているアカウントは多く、その中でも人気のアカウントは数十万人のフォロワーを抱えている。たまに、犬や猫が特にかわいらしい仕草をしたり、絶妙に困り顔になっていたりする場面を撮影した瞬間などがバズっていることがあるが、ペットカテゴリの人気アカウントの場合、特別な瞬間だけではなく、ペットのなんでもない日常の様子をアップするだけで数千のいいねがつく。

 フォロワーたちはその犬猫のファンであり、アカウント主のファンでもある。

 人気アカウントがアップしている画像や動画を見ると、確かに写真がうまい人も多いが、それ以上に犬や猫たちの表情の豊さに驚かされる。飼い主と強い信頼関係で結ばれていることが分かる写真の数々に、見る人は癒やされるのかもしれない。

 ただ、どんなジャンルにも火種はあるもので、ペット関連の場合、「あげてはいけない食べ物をあげていないか」「虐待のような扱いをしていないか」「ドッグラン以外でリードを外すなどのマナー違反をしていないか」といった注意点がある。人気のアカウントは、さりげなくきっちりとこれらの炎上ポイントは避けていることも注意して観察すると分かる。ほのぼのして見えて、きっちりしている。

 ただしツイッター上には、国内外の愛犬愛猫画像を勝手に集めて投稿し、人気を集めようとする「まとめアカウント」も存在するので注意したい。