導入初期編〜マウスひとつでPC操作が生まれ変わる

 端的に言って「マウスひとつでいろいろな操作が可能になる」、これがマウスジェスチャーである。

 たとえば、従来のブラウザ(WEBサイトを閲覧するために使うソフト)を使って、WEBサイトを見ている時に、前のページに戻りたい場合は、「マウスを動かして、ポインタをブラウザ上部にある“戻る”ボタンの上に乗せ、左クリック」という手順が必要になる。ブラウザによって細かな動作は異なるかもしれないが、その点はご容赦いただきたい。日常で頻繁に繰り返される一連の作業だから、もはや何も感じていないかもしれないが、まあちょっとしたひと手間ではある。

 しかし、マウスジェスチャーを用いれば、「その場で右クリックを押しながらマウスを左にスライド」をするだけで前のページに戻ることができるようになったりする。文字で書くとやぼったいが、実際の動作に要する手間はかなり少ない。そしてマウスジェスチャーにはこうしたコマンドが無数に用意されていて、自分好みにそのコマンドをカスタマイズできる場合もあり、作業の効率化を無限に極めていけそうである。

 キーボードショートカット(「Ctrl+Cでコピー」などが代表的)をマウスでやるようなイメージだろうか。筆者の使用しているスマホは、スリープ中の真っ暗な画面に向かって「V」の文字を描くと懐中電灯が即オンになる機能があり、非常に重宝しているが、これにも似ている。

 と、ここまでがマウスジェスチャーの概略であり、これを理解するのに要した時間は15分程度である。解説サイトの多くでは“スクリプト”なる、今まで避けてきていた理解しにくいカタカナが使われていて、一瞬諦めてベッドに倒れこんだが、気を取り直して挑んでみたところ、そこまで難しいことを示している語ではなさそうなことがわかった。

“スクリプト”とは「簡易のコンピュータープログラム」のことらしい。もちろん素人には意味不明なのだが、ことマウスジェスチャーかいわいにおける文脈は「“マウスがこの動きをすると、PCでこの命令が実行されますよ”というパターン」くらいに理解しておけば差し支えなさそうである。