2位は旅行会社の旅工房
Go To不正で参加停止に

 2位は旅行会社の旅工房で、平均年収は333.3万円。同社は1994年創業で、海外ツアーのネット販売を主軸としてきた。しかしコロナ禍による渡航制限の影響をもろに受け、経営難に陥っている。

 22年3月期第3四半期報告書には、「前会計年度から続いて多額の営業損失および当期純損失を計上していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在している」と記載されている。当ランキングの平均年収は前期に比べて約23%もダウンし、従業員数も約24%減っている。

 また、Go To トラベルキャンペーンの不正受給問題に関連して、観光庁は同社の参加資格を停止した。今後、Go To の再開や新たなキャンペーンが発動しても、同社はその恩恵を受けられそうもない。経営の行方を注視する必要がありそうだ。

3位と4位は
若い女性向けブランド

 3位はカジュアル衣料販売のANAPで、平均年収は338.8万円。続く4位はバッグとジュエリーの企画・製造・販売を手掛ける、サマンサタバサジャパンリミテッドで、平均年収は341.1万円だった。

 2社に共通するのは、若い女性向けブランドとして一世を風靡するも、人気が衰え、店舗のリストラなどをしていたところに、コロナ禍が襲来し、再び経営が低迷している点だ。

 ANAPは、確認できる最新の決算資料によると、22年8月期第1四半期の自己資本比率が18.7%に低下。同様にサマンサタバサも、22年2月期第3四半期の自己資本比率が15.5%に低下している。

 また、2社とも、20年度と21年度連続で多額の損失を計上し、足元も芳しくないため、最新の四半期報告書には「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在」の記載がある。