公費で受けられるワクチン、自費になってしまうワクチン
現在公費で受けられる(定期接種の対象となっている)HPVワクチンは、サーバリックス(2価HPVワクチン)とガーダシル(4価HPVワクチン)の2種類です。
2価であればHPV感染の最たる原因となる16型、18型の感染を予防できますし、4価であればそれに加えて「尖圭コンジローマ」と呼ばれる性感染症の原因となる6型、11型の感染予防ができます。
9価のHPVワクチンという、最も予防効果が高いとされるワクチンも存在しますが、日本ではまだ定期接種になっておらず、自費で高額になります。
資金に余裕のある方にとっては9価のワクチンを接種する選択肢もあってもよいと思います。ただ繰り返しになりますが、最も重要なのは性行為によって感染する前に打つことです。
9価が定期接種になるのを待って、その間に感染してしまっては本末転倒です。それよりは定期接種に該当しているうちに接種するほうが良い、という考え方が一般的です。
今後は積極的勧奨に伴ってこの「HPVワクチン」という言葉に触れる機会も増えてくるでしょう。定期接種の対象年齢となるお子様がいるご家庭を中心に、ご家族で話し合う機会を持ちながら、接種について検討してほしいと思っています。
※1 Michaela T Hall,et al. The projected timeframe until cervical cancer elimination in Australia: a modelling study. Lancet Public Health. 2019 Jan;4(1):e19-e27.