パネルディスカッション
カーボンニュートラル社会の実現における企業の役割

 フォーラムの後半で行われた、パネルディスカッション「カーボンニュートラル社会の実現における企業の役割」には、東邦チタニウム株式会社の常務執行役員 片岡拓雄氏、日本ジェネリック株式会社の常務取締役 井上祐弘氏、株式会社日本総合研究所理事長の翁百合氏、国際大学副学長の橘川武郎氏が登壇。冒頭では、アライアンス加盟企業2社の取り組みが紹介された。

 チタンの素材加工を行う東邦チタニウムは、チタン事業における新たな製錬法の確立を中核施策としたロードマップを策定しているが、その中に東京ガスのCN都市ガスの採用を盛り込んでいる。

  「チタン1トンを生産するのに約10トンのCO2が排出されます。脱炭素に向けた取り組みはまさしく待ったなしの状態であり、当社においては低エネルギー消費のチタン新製錬技術への転換、さらにはチタンスクラップなどが選択肢の一つに考えられますが、その他の施策に据えているのが、東京ガスのCN都市ガスです。2018年のCO2排出量は26万トンですが、これをいかに削減していくかがこれからの課題です」(片岡氏)

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 ジェネリック医薬品メーカーの日本ジェネリックも、CO2排出実質ゼロに向けた取り組みとして、つくばの工場と研究所で東京ガスのCN都市ガスを導入している。

  「当社の中で最もエネルギーを使うのは工場、次に研究所です。ジェネリック医薬品の需給が逼迫する中で、我々メーカーは更なる設備投資による供給力向上に取り組んでいく必要があります。すなわち、『エネルギー使用量の増加が避けられない中で、効率化にチャレンジし、CO2削減に取り組まなければいけない』業界だと言えます。つくばの2工場と研究所におけるCN都市ガス導入に加えて、再生可能エネルギーの利用拡大も検討しており、トータルでは年間4600トンのCO2排出削減を目指します」(井上氏)

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