乗り合い代理店市場に最後発で参入した朝日生命保険の子会社、なないろ生命保険。苦戦が予想されていたが、開業半年間の新契約年換算保険料は、朝日生命の一事業部門だったころの年間60億円から、80億円規模に成長したという。特集『選別される 生保・損保・代理店』(全28回)の最終回では、その理由を石島健一郎社長に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 藤田章夫、片田江康男)
沸騰する乗り合い代理店市場に
最後発で参入した、なないろ生命
日系生保各社の中で、老舗の朝日生命保険。2000年代後半からは業績不振がささやかれ、回復に時間を取られていたが、ここ最近は攻めの姿勢に転じている。
その象徴といえるのが、21年4月に設立し、同年10月に生命保険の販売開始にこぎ着けた、なないろ生命保険だ。朝日生命の代理店部門が独立、開業してできた生保であり、乗り合い代理店市場でのシェア獲得がミッションだ。
だが乗り合い代理店市場の競争は激しく、市場は沸騰状態。個性的な商品をそろえる外資系生命保険会社に加えて、住友生命保険の子会社であるメディケア生命保険、日本生命保険の子会社のはなさく生命保険がしのぎを削っている。
そんな中で、最後発として戦いを挑んだなないろ生命は、どのような勝ち筋を描いているのか。石島健一郎社長に、この1年の戦いを振り返ってもらうとともに、今後の展望を聞いた。
順調なスタートとなった要因と
見えてきた課題と次の一手
――21年4月に会社を設立し、10月から保険の販売を開始しました。この1年をどう評価されていますか。
おかげさまで、順調なスタートが切れたと言っていいかと思っています。親会社から与えられた目標は達成できました。