日本生命保険の子会社で、乗り合い代理店市場の攻略がミッションのはなさく生命保険。開業から3年が経過して、課題だった取扱代理店数を伸ばし、2021年度は契約件数も目標をクリアした。特集『選別される 生保・損保・代理店』(全28回)の#26では、次なる目標は何か、増山尚志社長に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 藤田章夫、片田江康男)
開業から3年経過
シェア奪取の策は?
今、生命保険業界で最も厳しいシェア争いが起こっているのが乗り合い代理店市場。主に外資系保険会社がこの市場でシェア争いを繰り広げていたが、日系大手生保が子会社を設立して参入したことで、さらに競争が激化している。
シェアトップは、住友生命保険の子会社で、日系大手生保の中では最速の2009年に参入したメディケア生命保険だ(本特集#14『メディケア生命社長が明かす、大激戦の乗り合い代理店市場で「シェアトップ」獲得の秘訣』参照)。
そんな先行組に追い付け追い越せとばかりに参入したのが、19年に開業した、日本生命保険の子会社であるはなさく生命保険だ。開業して3年、委託代理店の開拓から、保険契約手続きや保険金支払いシステムなどのインフラ構築、さらに先行するメディケア生命に対抗するための商品開発まで、同時並行で複数のタスクを進めてきた。
はなさく生命のかじ取りを担っているのは、日本生命在籍時にチャネル開発部門を率いて乗り合い代理店マーケットを研究し、自らはなさく生命を立ち上げ、現在は日本生命の執行役員でもある、増山尚志社長だ。開業して3年間の取り組みと、今後の目標や営業方針などについて、話を聞いた。
販路の多様化に取り組んだ1年
委託代理店数も目標にほぼ到達
――乗り合い代理店市場は競争が一層激しくなっています。この1年はどのような状況だったのでしょうか。
20年度の新契約件数が7.7万件でしたので、21年度は12万件の目標を立てていました。21年度末は、12.4万件程度です。一応は計画を達成することができました。