2020年にハーバードビジネススクールに入学したガビ・マカリさん(28歳)は、学んだ中で印象に残っている日本企業の事例としてトヨタ自動車を挙げる。その理由とは。また今、人気番組『はじめてのおつかい』にはまっているというマカリさん。番組を見て驚いたこととは。(聞き手/作家・コンサルタント 佐藤智恵)
コロナ禍のハーバードで
学んだ意義とは?
佐藤智恵 マカリさんは2020年、コロナ禍で一部の合格者が入学延期を決める中、あえてハーバードビジネススクールに入学することを決めました。この2年間を振り返ってみていかがですか。
ガビ・マカリ 多くの合格者が入学延期を決める中、迷うことなくハーバードビジネススクールに入学しました。入学時は27歳で、次の仕事に就くのはおそらく29歳。自分のキャリアを考えると、できるだけ早くMBAを取得したほうがよいと思ったからです。
実際のところ、2年間丸々、平時とは違った環境で学ぶことになりました。授業の多くはオンラインとなり、クラスメートとの交流やイベントなどは制限され、研修旅行もキャンセルとなりました。それでもこの時期にビジネススクールで学んでよかったと思います。
その理由は、やはりこういう状況下でしか得られない体験ができたことです。これまでおよそ560の事例(ケース)を授業で議論してきましたが、パンデミック下で製薬会社などの新しい事例が次々に取り上げられ、経済と公益をどう両立させるかについて考える機会が数多くありました。その結果、授業の内容をよりリアルに感じられ、深くリーダーシップについて学べたと思います。
また日々、感染対策をする中で「リーダーとしてふさわしい行動とは何か」について考えることが多々ありましたし、大変な時期をともに乗り越えたクラスメートとの絆もかえって強まったと感じています。