コロナ禍という、自分ではどうしようもない状況下はもちろん、仕事やプライベートなど、わたしたちは不安や孤独、焦りなど、ネガティブな感情をよく感じます。もっと言えば、ネガティブな感情を抱くのは当たり前のことです。ケンブリッジ大学でメンタルヘルスを10年ほど研究しているオリヴィア・リームス氏は、人が本来の力を発揮するのを妨げているネガティブな感情は、大きく9つに分けられるといいます。本記事では、これらのネガティブな感情に対処する科学的なメソッドを新刊『STRESS FREE』より一部紹介します。
わたしたちはなぜ孤独を感じるのか
孤独感は、多くの人が悩まされている感情です。2020年以前には、イギリス人の約5人にひとりが孤独を感じていましたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、状況はさらに悪化しています。
それにしても、孤独とはなんでしょう?人間の望んでいるつながりの数や質は、実際に得ているそれと、必ずしも一致しないといいます。おおぜいの人に囲まれていても、寂しさを感じるときはあります。結婚していようと、家族と住んでいようと、人は孤独になりえます。と同時に、たとえひとりかふたりしか友だちがいなくても、その絆が強く、社会的欲求が満たされていれば、孤独だと思わないことも多いのです。