米連邦準備制度理事会(FRB)の幹部らは、利上げをしてインフレを抑え込むことで失業率の上昇は避けられないかもしれない、とのメッセージを発信し始めている。これは、新型コロナウイルス禍で打撃を受けた労働市場の回復を後押しするため強力な金融刺激策を実施した昨年からの方針転換を意味する。5月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比8.6%上昇と40年ぶりの伸びを記録したことを受け、FRBは今週、政策金利であるフェデラルファンド金利(FF金利)の誘導目標(現在は0.75~1%)について、予想を上回る0.75ポイントの引き上げを検討する可能性がある。同じく週内に発表される経済見通しでは、高インフレの抑制に向け雇用や経済成長をあえて鈍らせる水準まで利上げする計画を織り込むFRB幹部の数が増えそうだ。