子会社「JPデジタル」ができた理由
大角 加えて、全国にはブロードバンドが行き届いていない郵便局が1000の単位であります。そのため、Webサービスを使って業務効率化を図るにしても、全国一律での展開は難しいのが実情です。
飯田 「ならば、全国2万4000局にブロードバンドを配備しよう」と言うと、「5年かかります」と。「ご、5年も待たなきゃいけないんですか?」って。でも、できないことを嘆いていても仕方ありません。「やれることからやっていこう」と。そこで、ある程度システムの自由がきく「子会社」という結論に至りました。
酒井 そこから3カ月でJPデジタルが設立されたのですね。
飯田 私のように外から来た人間が3カ月で子会社を作るなんて、これまでの日本郵政グループでは、ほぼミッション・インポッシブルです。そこを、大角さんやDX推進室のメンバーが頑張ってくれました。
ちょうど1年前、20人でスタートしたJPデジタルですが、今は若手を中心に(出向や外部パートナーを合わせて)200人のチームに成長しました。JPデジタルへの出向を希望する社員も増えています。デジタルの世界で「スピード命」でやってきた私からすると、まだまだ遅いと感じる部分もありますが、機動性が生まれつつあります。今までの日本郵政グループにはないDNAを少しずつ育てているところです。