タイムズスクエアで7000回「軍艦島は地獄島」

 韓国の徐敬徳(ソ・ギョンドク)という人は、反日ヘイトスピーチ活動に熱を上げる、代表的人物の一人だ。2017年に、「軍艦島の真実」という15秒の動画映像を製作し、2017年7月3日から9日まで、ニューヨークのタイムズスクエア電光掲示板広告として、毎日1000回(計7000回)流した。

 その映像には、横たわって石炭を掘るやつれた姿の鉱員の写真が登場したが、写真の主人公は、朝鮮人鉱員ではなく、日本人鉱員だったという事実が、すぐに明かされた。映像には、「軍艦島は地獄島」と表現した字幕が登場し、「120 Killed」という表現も登場した。死亡者規模「120人」に対する客観的な根拠があるのかどうかも問題だが、さらに大きな問題は、120人が誰かによって殺害されたかのように、「120 Killed」という表現を使ったという点である。「120人」が死亡したとしても、その120人は、勤務中の事故(労働災害)によるもので、誰かによって殺害されたのでは決してない。

 結果的に「軍艦島の真実」という映像は、虚偽写真とともに根拠に乏しい数値(120人)を悪意的に表現(「Killed」)した、「捏造宣伝物」になってしまった。反日ヘイトスピーチの典型を見せてくれたわけである。電光掲示広告の終了後16日が経過した2017年7月25日になって、やっと徐敬徳は、自身のフェイスブックで以下のような弁解をしたのだった。

「今回、私は、とても大きなミスを犯しました...この写真は、軍艦島で石炭を掘る朝鮮人強制徴用者ではなく、日本人鉱員であったことが判明しました...タイムズスクエアの広告はすでに終わってしまったので仕方ありませんが、ユーチューブに上げた映像は、この写真を削除した後、再編集して上げるようにします…多くの後援者の方々に心よりおわびを申し上げ、今一度、頭を下げる次第であります」

 この映像物によって、もっとも大きな被害を受けたのは日本国民である。もし、少しでも良心があるのなら、韓国人後援者に謝罪する以前に、名誉毀損された日本国民にまず謝罪したはずである。しかし、この人が日本国民に向けて謝罪したり、少しでも遺憾の意を表したりしたという話は、一切聞いたことがない。

 また、日本人の誰かが、徐敬徳を相手にニューヨーク裁判所などに名誉毀損で訴訟を起こしたという話も、聞いたことがない。もし、米国での訴訟が成功したら、徐敬徳は、担当判事によっては懲罰的な賠償判決を受けて、身を滅ぼす結果になる可能性もあった。徐敬徳は、相手が「良い隣人」の日本であるということに、感謝しなければならない。