リセッション(景気後退)が近いと米連邦準備制度理事会(FRB)当局者が考えているとしたら、彼らはそれを口にするのだろうか?中央銀行当局者は、自分たちの発言が景気を左右する力を持っているほか、将来に対する見方が経済動向に大きな影響を及ぼしうると考えている。すでに消費者信頼感に陰りが見える中、もし当局者が明確に景気悪化を予測すれば、それは自己実現的な予言となりうるばかりか、さらに深刻な悪化を招きかねない。一部のFRB当局者は、できる限り明確に景気予測を伝えると説明している。だが、景気が悪化すると予測する場合には、常に限界を伴う。ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁は6月28日、米CNBCに対し「透明性は間違いなく重要だ」と発言。この方針に基づき、FRBが6月時点の経済見通しで、失業率が上昇するとの予想を示したことに言及した。これは本来、景気にとって好ましい予測ではない。