片足で10秒間立つことができない人は
死亡リスク増加する可能性

 年齢、性別、健康状態を調整した結果、片足で10秒間立つことができない人は、今後7年間の死亡リスクが84%増加する可能性があると統計から推定されました。

 最近の転倒、現在の身体活動、食事、喫煙、薬の使用などの要因は考慮されていません。そこでこの研究者らは、このバランステストを定期的な健康診断に加えることを提案しています。

 この研究で専門家が強調しているのは、10秒バランスに成功しても、心臓病や糖尿病などの病気を予防できるわけではないということ。この研究自体は、さまざまなことに関連している可能性のある「全死因死亡率」に焦点を当てたものです。

医学博士、理学療法士が
「10秒間の片足立ちテスト」を評価

 この研究では、「10秒間の片足立ちを完了できた人は、転倒のリスクが減少し、その結果、全体的に死亡リスクが減少した」と、ニューヨークにあるマウントサイナイ病院の整形外科スポーツ医であるロバート・パリジャン医学博士は説明しています。

 なので診察室で、この検査を追加することをおすすめします。理学療法士のアルトゥロ・ミゲル氏は、「医師が毎年の健康診断にこの検査を取り入れた場合の結果を知りたいですね」と言います。「10秒あれば、バランスが崩れている人を簡単に見つけることができますし、安全です」と、ミゲル氏は話しています。

「なぜバランスが崩れているのかを
理解しようとすること姿勢が大切」

 (アメリカの)現状では、医師が毎年の健康診断でバランステストは行なっていません。「多くの場合、医師が求めるのではなく、『バランス』について気になる患者の申告によるものです」と、マウントサイナイ病院のスポーツ医学部長ジェームズ・グラッドストーン医学博士は述べています。

 グラッドストーン博士は、「このバランステストを行えば、患者になぜバランスに問題があるのか?という疑問が生まれる」ということで、バランスに問題のある患者は医師に相談することを推奨しています。そして、「最も重要なことは、なぜバランスが崩れているのかを理解しようとすること。そうすれば、できる限りの方法でそれを治療しようとするでしょう」と、話しています。

 ですが、「自分がバランスを崩していることに気づいていない可能性もあるのです」と、理学療法士のミゲル氏は警告を促しています。

 動いていないのに動いているように感じたり、四六時中モノにぶつかったり、動くときにモノにつかまったりするようなことがないか、注意することをすすめています。