今や東京よりもソウルのほうが物価高?

 単に「物価が上がった」と言っても実情を示さないことにはイメージが湧かないだろう。ソウルで生鮮食品の価格を調べてみた。

・キッコーマン醤油(750ml):1万0310ウォン(約1080円)
・卵(10個):5180ウォン(約540円) 
・ブロッコリー(1株):3500ウォン(約370円)
・キャベツ(1/4個):2400ウォン(約250円) 
・リンゴ(4個入):2万7000ウォン(約2830円)
・ホウレンソウ(1把):9500ウォン(約1000円) 
・ピーマン(2個):3700ウォン(約390円)
・レタス(1玉):6500ウォン(約680円)

 ソウル・江南のデパ地下で生鮮食品を買おうとするとこれくらいの値段になる(7月下旬調べ)。同じソウルでも、明洞のロッテデパートではさらに高いものもあった。

 韓国第2の都市・釜山ではこれらの価格よりも1000~2000ウォン(約100~200円)程度安いものの、やはりこの2年ほどで生鮮食品全般が値上りしている。特に卵や葉物野菜の値上がりが著しく、旧盆や旧正月といった伝統行事の料理の準備にも影響が出ている。

 都市部の物価高に加え、デパ地下ということもあって一般のスーパーに比べ場所代も加算されているのだろうが、食品の鮮度など、売られているものの品質は日本の方が良いという印象なので、やはり野菜や卵などの食材がここまで高いという事態には抵抗がある。

 この他、公共交通機関やタクシー代も値上がりしている。地下鉄やバスの初乗り運賃は現在1200ウォン(約125円)、タクシーは3800ウォン(約400円)。これは日本よりもまだ安いが、数年単位で値上がりが続いているし、原油高によってさらなる値上がりも十分にありえるであろう。

「何でも安いショッピング天国」と韓国が呼ばれていたのは今や昔の話。韓国への旅行に関する制限が今後さらに緩和されたとしても、以前のように日本人がこぞって韓国を訪れる光景はもう見られないかもしれない。