少数精鋭のエリートが集う
バイオベンチャーが上位

 1位はソレイジア・ファーマで、平均年収は1480.0万円だった。

 同社は2006年創業のバイオベンチャーだ。がん治療薬の分野において、欧米で開発されている新薬の開発・販売権を獲得し、日本をはじめとするアジア向けに医薬品を製造・販売している。

 注目すべきは、ソレイジア・ファーマは単体での社員数が21人(平均年齢49.9歳)と少ないことだ。

 少数精鋭のエリートを束ねる代表取締役社長・荒井好裕氏は旧サール薬品(現ファイザー)出身で、薬剤師資格とMBA(経営学修士)を持つ人物である。

 荒井社長をはじめ、限られたエリートだけの平均年収を算出しているため、中国子会社を含めたグループ全体の実態よりも平均年収が高くなっている可能性もある。

 ただソレイジア・ファーマは、医薬品開発への先行投資がかさみ、決算では赤字が続いている。

 21年12月期の通期連結決算では、売上高が5億5900万円だったのに対し、営業損失が24億1900万円、最終損失が24億7800万円に沈んだ。

 22年12月期の通期業績は幅を持たせて予想しており、営業損益・最終損益ともに黒字化の見込みもあるが、11億~12億円程度の赤字になる可能性もあるとしている。

 2位は創薬ベンチャーのシンバイオ製薬で、平均年収は1170.3万円だった。単体従業員数は127人、平均年齢は48.8歳となっている。

 05年創業の同社も、欧米の製薬企業から有望な新薬候補品の開発・販売権を取得した上で、医薬品を製造・販売している。取り扱う医薬品は、がん・血液・ペインマネジメントの3領域だ。

 業績も堅調で、21年12月期の通期決算では売上高が82億5600万円、営業利益が10億1600万円、最終利益は20億3200万円で着地している。

 3位はそーせいグループ(1151.7万円)、4位はアンジェス(1149.9万円)とほぼ横並びだった。前者は医薬品の研究開発、後者は遺伝子治療薬に特化した技術開発を手掛けるバイオ製薬企業である。

 単体従業員数はそーせいグループが23人(平均年齢45.6歳)、アンジェスが34人(同52.4歳)と、こちらも少数精鋭である。