カフェでリラックスできないという理由は人によって多少異なるようで、要約すると「カフェのような人が多い場所では落ち着かない」「飲み物をすぐ飲んでしまうし、飲んでしまったら店を出ないといけない気持ちになる」「友人と話しながらの休憩はいいが、一人は無理」などの声が集まっている。

 反響の中には当然、「いや、くつろげる」という声もあり、むしろ人目があったり人の声が聞こえる場所のほうがリラックスできるという意見もあった。また、体力がないので途中で休憩を入れなければ帰れないという意見や、家に帰ったら帰ったでやることが多くあるため喫茶店やカフェでのひとときは大事な時間という人もいた。このあたりの感覚は人によって大きく異なるのだろう。

 いずれにしろ、カフェや喫茶店でくつろげるのか否かというのは、思いの外さまざまな意見が噴出するテーマだということが明らかになった。

作業できるかどうかにも個人差

 この件で気になったのが、カフェなどで仕事をする行為についてである。

 筆者はフリーランスのライターであり、同じフリーライター仲間には電源のあるカフェやファミリーレストランで仕事をするという人も多い。24時間営業のファミレスがコロナ禍で営業時間を短縮したことで、「深夜のファミレスで仕事ができないならどこで集中すればいいのか」と嘆いていた同業者もいる。

 自宅で作業すればよいのだが、同業者たちの多くがカフェやファミレスで仕事をする理由は「集中できるから」である。試験前の勉強にいそしんでいた学生時代と同じように、家にいるとなんだかんだと気が散ってしまい、仕事に取り掛かれないからである。

 しかし、同業者の中にはやはりカフェやファミレスだと集中できないという人もいて、その理由は「隣の人の話し声が気になってしまう」など。中には自分を棚に上げて「隣の人のタイピング音がうるさいと集中できない」という人もいる。カフェにいながら、耳栓を使って仕事をしているという友人もいる。

 ちなみに今年4月、東京・高円寺に入稿に追われている人のためのカフェというコンセプトを掲げた「原稿執筆カフェ」がオープンし、話題になっている。このようなカフェに需要があり、「行ってみたい」「行かなければ」と思う人が多いことからも、自宅ではなぜか作業がはかどらない困難が実際にあることがわかる。

 このカフェが話題になった理由はコンセプトを絞っているからであり、「ここなら集中できそう」と思った人が多いからだろう。また、「このカフェなら気兼ねなく作業にいそしめる」こともメリットだ。

 普通のカフェであれば、メインは飲食。長居して作業をしていいのかどうかという葛藤は、どんなに図々しい人であっても多少は持っている。

 これは、カフェで勉強や仕事など何らかの作業をしたことのある人の半分程度には共感していただけると思うが、作業に適したカフェやファミレスを見つけるのはなかなか難しい。