半導体業界の低迷が進んでいると分かるのは、米大手アナログ・デバイセズ(ADI)からそれが感じられ始めたときだ。ADIからの気配は、現時点では実にわずかなものだ。ADIが17日朝に発表した第3四半期決算は、売上高が初めて30億ドル(約4044億円)を突破し、前年同期比77%の増収を達成した。調整後の1株当たり利益(EPS)も47%増の2.52ドルと過去最高を更新。また、第3四半期の業績は市場予想を上回り、好調な実績を維持している。ファクトセットによると、ADIは過去5年で2回、アナリストの四半期売上高予想をわずかながら下回ったことがあるだけだ。産業・自動車・消費者向けと多用途に半導体を生産しているADIだが、決算報告の中で「経済の不透明感が受注に影響を及ぼし始めている」ことに言及。同社は電話会見で詳細について説明し、5-7月期の後半に受注が「減速」し、「キャンセルが若干増加」したことを明らかにした。これを踏まえ、同社の業績見通しは慎重なものとなった。ADIの今四半期の売上高見通しは31億5000万ドルで、アナリスト予想を1%上回る水準にとどまった。同社は過去4四半期、平均でアナリスト予想を5%上回る見通しを示してきた。
米半導体ADI、業績好調も冷え込み見通し示す
アナログ・デバイセズ、特有のビジネスモデルで打撃回避いつまで
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