旧統一教会、ロシアは「社会の敵」
二つの共通点とは

 今年2月、ロシアがウクライナに侵攻してから、ロシアとプーチンがいかに反社会的かという報道があふれた。

 マスコミは連日連夜、ロシア兵が女性たちを暴行して、市民を無差別に虐殺したという蛮行を報じ、ネットでも太平洋戦争時にロシア兵がいかに残虐で、日本の女性たちを慰みものにしたかという「前科」が多く語られた。

 また、専門家は、プーチン大統領がこれまでいかに恐怖支配と他国の侵略を繰り返してきたかを強調。さらに、アルツハイマー病や心臓病ではないか、という海外報道を紹介して、映像などでプーチン氏の手が震えを隠しているなどと推察、コメンテーターの中には、「狂人ゆえに核兵器の使用も辞さないのでは」という見立てを披露するような人もいた。

 これらの「ロシア=民主主義の敵」という報道で日本人の「正義」の心が一気に刺激された。戦争犯罪や侵略を繰り返すロシアは絶対に許してはいけない。プーチンを倒すためには、西側諸国と連携して経済制裁をすべきだという論調も盛り上がった。日本人にとって、ロシアとプーチン氏は擁護できる部分が皆無の「反社」という扱いなのだ。

 では、翻って旧統一教会はどうか。

 ご存じのように、既にマスコミ的にはこの教団は「破壊的カルト」ということで結論が出ている。この「反日カルト教団」を日本から追い出すことは絶対的に正しいことであって、フランスにあるようなカルト規制法を整備すべきだという論調も盛り上がっている。日本人にとって、「擁護できる部分が皆無の反社」となっているところが、ロシア・プーチン大統領への評価とそっくりだ。