「雇用をつぶせ」は褒められたスローガンではないが、インフレ率を引き下げたい米連邦準備制度理事会(FRB)は、リスクを冒してでもそんなメッセージを送っている。昨年8月のジャクソンホール会議で、ジェローム・パウエルFRB議長はインフレが一時的な現象だと考える理由について詳細に語っていた。言うまでもなく、26日に開催された今年の会議でパウエル氏が発したメッセージは、それとは違っていた。パウエル氏は、FRB当局者が「今最も重視しているのは、インフレ率を目標の2%まで引き下げることだ」と言明。そのためにはさらなる利上げが必要で、成長鈍化と労働市場の軟化により「家計や企業にいくぶん痛みが降りかかることになる」との認識を示した。
インフレ退治に突き進むFRB、劇薬は今だけ?
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