投資家はまたしても今夏に大きなミスを犯した。経済の動きを読み誤っただけではない。さらにたちの悪いことに、米連邦準備制度理事会(FRB)の意向まで取り違えてしまった。そのミスの大きさは、1日としてはおよそ2年ぶりの急落を演じた13日の米国市場の反応で浮き彫りとなった。ところが、このミス――インフレがピークをつければ、FRBは来年初めに利上げの終着点に到達した後、一転して引き締めの手を緩めるだろうとの期待――は、引き続き債券、株式、そして先物価格を引き続き支えている。これは容易に犯しやすい過ちだ。ハイパーインフレや社会の崩壊が起こらない限り、インフレはいずれ低水準に落ち着くからだ。とはいえ、投資家はそれが早期に実現すると楽観しすぎている。インフレはFRBの目標である2%を大きく上回る水準に当面とどまることを示す証拠にあふれ、市場は間違っているとの明確な警告をFRBが発しているにもかかわらずだ。