シーンに応じて適したDIYを
その英知は猫様のために

 さて、「猫様ガード」にかかった気になる費用であるが、7000円を超えたが、クーポンを使ったので5707円(税込み)となった。当初思い描いていたより格段に高額であったが、経費で落とすことにして自分を安心させた。同種の目的で使用できる代替品をネットで物色した方が安上がりだったかもしれない。

 とはいえ、「G-Fun」は仕上がりがかっこよくなるのでよしとしたい。どうやらフレームは安いのだが、コネクターなどの数が増えると値もかさ増ししていくようだ。DIYが得意な人はもっと作りをシンプルにしてコストダウンを図ることができるかもしれない。

 目的によって、どんな流派にのっとってDIYに取り組むべきかが変わる。

 コスパやお手軽さを重視するなら圧倒的に100均流である。筆者のウッドデッキ補修工事も、アップデートされた脱走防止網を猫が食い破るなどして脱走を繰り返し、結局3種類の網を買う羽目になったが、最終的に脱走防止システムを盤石たらしめたのはダイソーのワイヤーネットである。100均には、物によってはコスパという言葉を超越したすさまじい働きをしてくれるアイテムがある。

 また、圧倒的にハイクオリティーのものを作り上げるなら、やはり昔ながらの本格流DIYに軍配が上がる。工具を使った作業は楽しいものであり、製作の過程にもカタルシスが宿る。

「G-Fun」は、先に「100均DIYと本格DIYの中間的存在」といったことを書いたが、やや認識を改めた。「G-Fun」のコストは決して安くない分、仕上がりがアルミ主体でガシッとなるので、場合によっては木材を使った本格DIYより良いものが作れるかもしれない。

「G-Fun」は、年に一度DIYアイデア大賞を主催していて、大賞はQUOカード10万円をもらえるらしい。去年度の応募件数は「170件超」とのことで、「ひょっとしたら自分も…」を感じさせてくれる絶妙な数字である。筆者も応募してみたいと思うので、万一「猫様ガード」をそこで発見することがあったら笑っていただきたい。

 100均アイテムのコンテストもちまたにいくつかあり、それこそダイソーが主催するDIYコンテストもある。我こそは、という人はぜひ応募されてみるのがよろしかろう。

 さて、後日「猫様ガード」が完成すれば当面猫様対策のDIYは必要ないかといえば、決してそんなことはなく、次は2階ベランダの網を張り直すタスクが待っている(その時は最初からダイソーの網に火を吹かせる予定である)。

 猫との暮らしは忍耐と工夫と隣り合わせであり、これを大いに助けてくれるのがDIYだ。DIYは、猫様と暮らす人間の幸せを確たるものにする、猫様が人にお与えたもうた英知なのである。