「はいチーズ!」はもう死語?恥ずかしさを感じるおじさんが調査してみた写真はイメージです Photo:PIXTA

写真を撮る際の定番だった「はいチーズ!」。最近は聞かなくなったように感じるし、中高年からは「使ってしまうけど、そろそろ古いのでは…」という不安げな声が聞かれる。はたして「はいチーズ」は死語となってしまうのか、あるいは、すでに死語なのか。(フリーライター 武藤弘樹)

中年以上に“注意報”発令!
「はいチーズ!」が嘲笑される可能性

 中高年世代、および1980年生まれの筆者と同世代には、驚がくの事実、かつ大変おそろしいお知らせである。
 
 写真を撮る際に、撮影者がシャッターを押すタイミングを知らせる掛け声の中でも最もポピュラーな「はいチーズ!」を、今の若い人たちは使わないかもしれない――というのである。
 
 このうわさは、若者のカルチャーに必死で食らいつこうとしがちな傾向のある中年世代には特に捨て置けぬものであろう。何も知らずに無垢(むく)な気持ちで「はいチーズ」と言おうものなら、若者に陰で嘲笑されるおそれがある。

 それを知った上で、己の矜持と生きざまを示すべく「はいチーズ」を使い続けるという選択肢もあるにはあるが、誇りを懸けて守る対象として「はいチーズ」はやや締まらない。
 
 筆者は、「はいチーズ」は妙な恥ずかしさがあるので、使うのを徹底して避けている。だから安全圏にいるのだが、そうはいっても撮影時の「はいチーズ」は、朝に「おはよう」と言うくらい、自然な慣用の句である。「はいチーズ」がない世界には違和感を覚えざるを得ない、「はいチーズ」育ちの世代なのである。
 
 本稿では、「はいチーズ」が使われているかの実情の調査と慎重な考察を加えたい。