セブンDX敗戦#8Photo:PIXTA, Bharat Sanghavi/EyeEm/gettyimages

セブン&アイ・ホールディングスのデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略は、現場からの集中砲火によって崩壊した。実はDX戦略を総括するセブン&アイの内部資料には、なんと宿命のライバル、イオンの名が登場する。しかも、イオンにはかなりのスペースが割かれている。特集『セブンDX敗戦』(全15回)の#8では、DX改革を葬り去るために「抵抗勢力」が用いた“策謀”を明らかにしていく。(ダイヤモンド編集部編集委員 名古屋和希)

>>あなたの会社の「DX問題」取材します。情報提供はこちらまで
diamondweekly@diamond.co.jp

DX戦略「断罪」の中間報告
宿命のライバル、イオンが登場

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)のデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略は2021年秋に転機を迎えた。戦略の司令塔であるグループDX戦略本部は解体され、DX戦略を担ってきた米谷修氏もグループを去った。2年弱にわたった米谷路線はここに終焉したのだ。

 米谷氏のDX戦略の明確な否定は、ある内部資料を嚆矢とする。それが21年7月にまとめられた100ページ超の中間報告である。表向きはDX戦略を評価・検証するとの題目だったが、実際は米谷氏が率いるグループDX戦略本部を“断罪”する役割を果たした。

 その中間報告には予想外の企業の名が盛り込まれている。流通業界での因縁のライバル、イオンである。

 しかも、「さらっと企業名が触れられている」といった類いではない。イオンへの言及はおよそ7ページにもわたり、もはや「イオン推し」と表現できそうなレベルだ。さらにその中身は、イオンが対外的に公表していないものが含まれているのだ。

 米谷路線を葬るきっかけとなった中間報告に、なぜ非公開のイオンの社内事情が列挙されているのか。