流通業界のガリバー、セブン&アイ・ホールディングスが、“解体“に動いている。コンビニエンスストア、スーパーから、百貨店、専門店、外食、金融にまで広がるポートフォリオを見直し、事業売却を含めた構造改革に着手。コンビニを核とした食品関連事業に注力する道を歩みだそうとしているのだ。だが、そごう・西武の売却交渉は難航し、決裂がささやかれ始めた。ロープで縛り付けられた『ガリバー旅行記』の主人公さながら、さまざまな思惑やしがらみで身動きが取れない巨人は、コングロマリットの呪縛から逃れられるか。特集『セブン解体』では、10月17日(月)から22日(土)までの全6回にわたり、セブン&アイとその周辺企業の「近未来」を追う。
#1 10月17日(月)配信
セブン&アイのそごう・西武売却が八方ふさがり、買い手ヨドバシの「無理難題」に労組猛反発
米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループが優先交渉権を得ているセブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武の売却交渉が、「八方ふさがり」の様相を呈している。混乱の源は、フォートレスが連携相手に選んだヨドバシホールディングスが出す「無理筋の条件」だ。それにそごう・西武の労働組合が猛反発、地権者の同意を得るのも至難の業とみられており、交渉不成立の観測が飛び交っている。
#2 10月18日(火)配信
セブン&アイに解体を迫る「2つの衝撃」、売却はそごう・西武だけじゃ終わらない?
コンビニエンスストア、スーパーから、百貨店、専門店、外食、金融まで――。そんな流通業界のガリバー、セブン&アイ・ホールディングスが、多角化路線の見直しについに動き始めた。これまでは、外部から何度コングロマリットディスカウントを指摘されても「どこ吹く風」だった。しかし、すでに表明済みのそごう・西武の売却検討に限らず、抜本的なポートフォリオ改革に今度ばかりは動きだそうとしている。“セブン解体”を後押ししているのは、二つの「変化の衝撃」だ。
#3 10月19日(水)配信
イオンも「セブン&アイ解体」は対岸の火事じゃない!流通の巨人に“市場圧力”が高まる理由
セブン&アイ・ホールディングスと双璧を成す流通業界の巨頭、イオン。今のところ、「コンビニエンスストア専業会社化によるコングロマリットディスカウントの解消」など、アクティビストから強い要求を突き付けられているのはセブン&アイの方だ。だが、流通関係者は「イオンも対岸の火事ではない」と声を潜める。イオンに対する市場圧力の高まりが決して杞憂とはいえない理由を、セブン&アイとの比較などから解き明かす。
#4 10月20日(木)配信
セブン銀行も売却候補に浮上!?ドル箱子会社に迫る危機と、再編相手と囁かれる「あの銀行」
「ドル箱」といわれたセブン銀行の高い成長性に黄色信号がともっている。もともとキャッシュレス化の浸透などによるATM座礁資産化の懸念は根強く、水面下ではある銀行との統合策が模索されたくらいだ。足元では金利上昇局面に差し掛かったことで調達コストの増加懸念まで発生。「セブン解体」の中、銀行業界ではさらなる再編の臆測が飛び交う。それでも強気をにじませるセブン銀行の成長戦略とは。
#5 10月21日(金)配信
イトーヨーカ堂、デニーズ、ぴあ、ニッセン…セブン&アイ次の「売却候補」を大胆予想
セブン&アイ・ホールディングスを巡っては、売却について取り沙汰されては消えてきた事業会社が幾つかある。過去の思惑やしがらみを断ち切り、ノンコア事業として切り出される可能性が高いのはどこなのか。その社名や、売却先などについて大胆に予想する。
#6 10月22日(土)配信
クレディセゾンが「盟友」そごう・西武売却と旧村上ファンド系出資でピンチ!?戦略大転換の中身
セブン&アイ・ホールディングスのそごう・西武の売却に伴い、行く末が案じられているのがクレディセゾンだ。クレディセゾンのカード事業は、西武グループを起点とした小売業とのタッグにより発展してきた歴史があるからだ。こうした先行き不安に目を付けたのか、旧村上ファンド系の投資会社が株を取得しており、揺さぶりもかけられる。クレディセゾンの勝ち残り策と、“本当の課題”に迫る。
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