【ロバート(米ルイジアナ州)】海洋石油掘削リグで働く十数人の労働者が、ジャンプスーツ、救命胴衣、ヘルメットを身に着け、海難事故に備えて義務付けられている救命講習会にやって来た。 「死ぬことはないよ」。海洋リグの電子技師を務めるケント・コックスさん(56)は、緊張している初参加者を安心させようと、そう話しかけた。 死にそうに思えるだけだ。 一度に5人ずつヘリコプターの機体の実物大模型に乗り込み、体をハーネスで座席に固定する。そのまま屋内プールの約3メートル上につり上げられ、深く息を吸い込むと模型ごと水中に沈められる。
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