白熱!土地争奪戦#1Photo by Kosuke Oneda

国家公務員共済組合連合会(KKR)が東京・西麻布の土地を含む11件を一括入札で売りに出した。不動産仲介大手の東急リバブルがこれを落札し、三菱地所レジデンスなど複数のデベロッパーに売却した。一等地を含む売買、なぜか逃げ腰になる不動産会社が続出した。特集『白熱!土地争奪戦』(全6回)の#1では、その事情に迫る。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

一等地の西麻布を含む一括入札
複数のデベロッパーが参加せず

 今年5月、国家公務員共済組合連合会(KKR)が東京都港区西麻布を含む全国11カ所の土地について、一括購入を条件に一般競争入札での売却手続きを始めた。

 落札したのは不動産仲介大手の東急リバブル。同社はその後、複数のデベロッパーに獲得した土地を売却した。東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩数分の場所にある西麻布の一等地(上の画像の更地)は、大手の三菱地所レジデンスが購入した。

 7月末に入札が行われ、デベロッパーらに売却されたのは9月末。わずか2カ月で約半数に買い手がついた。

 となれば、わざわざ間に仲介会社を挟まなくても、一括入札で勝負を仕掛けるデベロッパーが多くてよさそうなものだが、有力なデベロッパーの複数は逃げ腰となった。

 次ページでは、KKRの土地の売却先リストと土地評価額(推定値)を公開する。また、なぜ複数のデベロッパーが逃げ腰になったのかの理由を明らかにする。