土地争奪戦が新局面を迎えている。その象徴が、東京・JR三鷹駅から徒歩6分という好立地の入札。名だたる大手不動産会社を押しのけて、中堅不動産会社が落札したのである。特集『白熱!土地争奪戦』(全6回)の#2では、土地の仕入れが過熱する要因について明らかにする。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
都内好立地の入札で
中堅がメジャー7に勝利
東京都のJR中央線三鷹駅から徒歩6分という好立地で分譲マンションが建設されている。この土地は、神奈川県横浜市の総合不動産リストグループで住宅開発・分譲を担うリストデベロップメントが今年3月に取得した。
もともと個人の土地で、多くの不動産会社が長らく目を付けていた。それが最近、入札案件となった。当然、メジャー7と呼ばれる大手デベロッパー7社(三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、住友不動産、野村不動産、東急不動産、東京建物、大京)のうち数社も入札に参加した。
「ここが獲得できれば売り上げや利益の面から当社にとってインパクトが大きい。アクセル全開で、本気で取りに行った」とリストグループの関係者は振り返る。
同グループはいわゆる中堅ポジションで、大手7社に比べれば資金力や知名度などで劣る。「まさか当社がこんないい場所でマンションを分譲するとは業界内では誰も想像していなかっただろう」と自嘲気味に話す。
高値で仕入れたため、落札当初はプロジェクトが成功するのか不安もあった。ふたを開けてみると、40戸強の分譲に対してモデルルームオープン前から1200件以上の問い合わせが殺到。注目度は高く、平均坪単価500万円弱という高額物件でも完売できる手応えをつかんだ。
なぜ土地争奪戦で中堅が大手に打ち勝つようになったのか。次ページでは、新局面の全貌を明らかにした。