米国では債券相場やハイテク株、暗号資産(仮想通貨)が大幅安となる一方、インフレ率は40年ぶりの高水準にある。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が金融業界の大物たちに、現在の市況や今後の見通しなどについて聞いた。
いくつかの基本的な問題で対照的な意見が示された。2000年と08年の市場暴落を予測したことで知られるジェレミー・グランサム氏は、同氏が「スーパーバブル」と呼ぶものの初期破裂が起きた後でも悲観的な理由を多数挙げた。米投資会社リサーチ・アフィリエイツの創業者であるロブ・アーノット氏も、市場はまだ底入れしていないとみる。一方、米金融大手ゴールドマン・サックス・グループの前最高経営責任者(CEO)、ロイド・ブランクファイン氏は、状況は見た目ほど悪くないと話す。
業界の大物たちは、今回の波乱相場が収束するのはまだ先との見方ではおおむね一致している。
恐怖のピークを待つ
投資家は市場が底入れするまで買いを控えるべきだと、アーノット氏は語る。そして、底入れはまだというのが個人的な見解だという。
買うタイミングが早過ぎれば、投資資産の価値はさらに下落する。タイミングが遅過ぎれば、利益を上げる絶好の機会を逃してしまう。