OECDの調査より計算された女性の
読解力スキル未活用の指標
「人への投資」は岸田政権が掲げる新しい資本主義の柱の一つとなっており、首相は5年間で1兆円を投入するとしている。人々のスキルが富の源泉であり、そこに重点的に投資する方向は評価されるべきだ。さらに加えると、形成されたスキルを効率的に利用するという観点も重要だ。人々のスキルが高くても有効に活用されなければ、宝の持ち腐れだからだ。
スキル形成のための投資に注目し、その利用には注意が払われてこなかったのは、労働経済学においても同様だ。スキルが潤沢にあれば、それを有効に利用する企業が現れると考えられてきたからだ。しかし、現実の労働市場では、このようなスムーズな市場調整が行われているとは限らない。