最強学閥「慶應三田会」 人脈・金・序列#17Photo:PIXTA

あまりに強固な結束を誇り、外部から見ると「秘密結社」のように見える大学がある。それが慶應義塾大学と創価大学である。本家本元の早慶とは異なり、くしくもスクールカラーやペンをあしらった校章もそっくりな“創慶”は似た者同士だ。特集『最強学閥「慶應三田会」 人脈・金・序列』(全17回)の最終回では、「週刊ダイヤモンド」2019年9月7日号の記事を再掲し、二大学閥の六つの共通点を明らかにする。(ダイヤモンド編集部)

「週刊ダイヤモンド」2019年9月7日号の第1特集「大学 激変序列」を基に再編集。肩書や数値などの情報は雑誌掲載時のもの

慶應大と創価大に共通する強固な結束力
慶應元トップも認める「似た者同士」

 慶應義塾大学と創価大学――。入試難易度や歴史の長さ、学生数の規模が全く異なる二つの私立大学をなぜ並べるのか。違和感を覚える読者も少なくないだろう。

 その理由は、創価大生が自校を「創大(そうだい)」と慶應大のライバル、早稲田大学と同じ略称で呼ぶというからではもちろんない。

 再来年に創立50周年を迎える創価大は、巨大宗教法人、創価学会の池田大作名誉会長が創立し、創価学会の幹部候補養成学校としても機能する。その意味で、慶應大を含めた他大学とはむしろ一線を画した存在だ。

 だが、創価学会に詳しい宗教学者、島田裕巳氏は著書『慶應三田会 組織とその全貌』(三修社)において、「慶應の三田会について研究してみようと考えたのは、実は、創価学会について研究を続けてきたことが影響していた」と記している。

「三田会」とは、日本最強の学閥といわれる慶應大の同窓会組織である。島田氏は言う。

「三田会は単なる同窓会組織というよりも構造的に宗教に近い。慶應大も創価大も創立者が神格化され、学生・卒業生の結束力や相互扶助のネットワークの強固さなど共通点が非常に多い」

 島田氏以外にも両大学に類似性を見いだす声は少なくない。

「創価大はうちとよく似ていますね」――。慶應大元塾長の安西祐一郎日本学術振興会顧問は、創価大関係者に対し、そんな感想を一度ならず口にしているという。慶應大の元トップからして“似た者同士”だと認めているわけだ。