最強学閥「慶應三田会」 人脈・金・序列#9Photo:PIXTA

新卒や若手中途採用でコンサル人気が沸騰する中、コンサル業界で慶應三田会の存在感が高まっている。特集『最強学閥「慶應三田会」 人脈・金・序列』(全17回)の#9では、アクセンチュアやビッグ4など主要コンサルティング会社における新卒採用などでの慶應閥の最新動向に加え、宿命のライバル、早稲田と比較したコンサル「慶早戦」の模様をお届けする。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

ADLに三田会が誕生
拡大する慶應出身コンサル

 初夏に差し掛かった5月、老舗戦略コンサルティングファームのアーサー・ディ・リトル・ジャパン(ADL)の社員やOBらおよそ30人が、東京・銀座のある大衆居酒屋に詰め掛けていた。

 この会の参加者にはある共通点があった。それは、全員が慶應義塾大学の卒業生ということだ。会の名前は「アーサー・ディ・リトル・ジャパン三田会」。この日は、新型コロナウイルスの感染拡大で延び延びになっていた、待望の“三田会初飲み会”の日だった。

 コンサルファームの三田会は、実は非常に珍しい。連合三田会の公表資料によると、コンサルに関連する企業の企業別三田会として登録されているのは「ADL三田会」と「PwC三田会」の二つのみだ。しかも、このADL三田会は、2019年に誕生したばかりの新顔というから驚きだ。

 本来、外資系の戦略コンサルと学閥とは縁があるようには思えない。なぜ、ADLの三田会が立ち上がったのか。その背景を理解するには、ここ数年のコンサル業界の潮流変化を知る必要がある。

 次ページでは、ADL三田会が設立されることになったコンサル業界を取り巻く環境の変化を解説する。コンサルの拡大、クライアントニーズの変化がどのようにして「ADL三田会」に結び付くのか。

 さらには、コンサル業界全体で広がる慶應コミュニティーの実態をひもとくべく、過去3年で主要コンサルファームによる慶應出身者の新卒採用がどれだけ増えているかを示す。採用数が200人を超えるトップファームの存在も明らかにする。また、宿命のライバル、早稲田大学と新卒採用数を徹底比較することで浮かび上がった驚くべき結果を紹介しよう。